2009年08月09日

がとくー:あたしのベルト6

オレ「さて、と。どうするかね?」
霧子「??」
4月恒例のリーグ戦を終えて、オレは考えていた。
今年も菊池がリーグ戦を制覇。
まあ、5月にTWPが乗り込んでくるらしいので考えていたのだ。
すなわち、ベルトを取り返す人選を。
オレ「普通に行けば……。」
霧子「菊池さんでしょうね。」
リーグ戦で最強が菊池と確認が取れた今、こちらの代表はそうあるべきなのだろう。
しかし……。
オレ「菊池があのベルトに興味もつかね?」
菊池はWWCAのベルトも返上して、現在は無冠。
まあ、これは団体のベルト一本化も睨んでの考えだったのだが。
菊池自身も千春に勝ったことで執着は薄くなったようだった。
だからといってすぐに新しいベルトに興味を持つかは疑問だ。
霧子「とりあえず、相談してみては。」
オレ「そうだな。」

道場で、菊池に説明するとあっさりとOKをもらえた。
菊池「いいですよ。」
そうか、菊池はこういうやつだった。
頼みは断らない。
菊池「ソニックキャットとやって取るなら意味もありますしね。」
そして気を使わないような言い訳もしてくれる。
やれやれ……。
佐尾山「社長!」
話しかけてきたのは佐尾山だ。
佐尾山「あたしにリベンジさせてください!」
む……。
しかし、今回はなんとか一発で取り返したいのだが。
佐尾山「菊池先輩が取り返すんじゃダメなんです!」
オレ「短期間で差を埋められるほど、ソニックキャットは甘くないぞ。」
佐尾山の表情が怯む。
と、一瞬、目が潤んで見えて、オレも戸惑った。
佐尾山は絞り出すように言った。
佐尾山「社長、言ってくれたじゃないですか。」
オレ「へ?」
佐尾山「『お前のベルトだ』って。」
そうか。
菊池がオレに笑顔を向けた。
菊池「だって。」
どことなく嬉しそうに見える。
後輩の意地が嬉しかったのだろうか。
オレ「しょーがねぇなぁ!」
佐尾山の表情がパッと明るくなる。
現金な奴だ。
オレ「絶対に勝てよ。」
佐尾山「うん!」
ため息をつくオレを遠くから辻が見ていて笑っていた。
同期だからな、心配してたのかも。
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がとくー:あたしのベルト5

オレ「さおさおの真空飛び膝蹴り、いいな。」
佐尾山「あ、ありがとうございます。」
村上千秋に勝った今、佐尾山は本物だ。
未だに評価では菊池、村上姉妹、小川の旗揚げ組がトップだが、下の世代の押し上げが顕著になってきた証拠だ。
オレ「で、次なんだが……。」
オレは佐尾山に試練を与えた。
次の防衛戦は初の他団体選手。
TWPに話はつけてきた。
すなわち、菊池と並ぶ最強ジュニアの一角、ソニックキャットである。

ソニック「なかなかやるさのね。」
ソニックは言葉とは裏腹に余裕の表情だった。
プラズマソニックボムを返した佐尾山だが、すでに追い込まれていた。
佐尾山「く、クソーッ!」
気合を入れてのミドル2発。
ソニックは苦悶の表情を浮かべながらも笑みが見える。
佐尾山「らぁー!」
コンビネーションキックにつなげるとさすがにソニックもダウンした。
倒れこむソニックにカバーに入る。
カウントは2.8だった。
セコンドについてるミシェール滝が叫んだ。
滝「ソニさん、遊びは止めた方がいいですよ。」
ソニ「うきゅ。」
ソニックキャットはいつもの返事で応えると、再び、向かい合う。
ローリングソバットで怯ませると、そのままプラズマソニックボム。
グロッキーの佐尾山に、ソニックキャットは容赦しなかった。
ソニ「いっくおー!」
リングに流れ星が落ちてきた。
そのままカバーに入られ、佐尾山は敗北した。
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がとくー:あたしのベルト4

村上千秋は不満だった。
千春はすでにWWCAのベルトも巻いたことがあるのに、自分は王者の経験がないのだ。
もっとも現王者の菊池に勝てる気はしない。
千春と菊池は相性が良い。
菊池は飛びと投げで勝負するので、打撃が得意な千春には都合が良いのだ。
千秋は飛びをもっとも得意にしているが、菊池の天性のバネには負けてしまう。
千秋「ふざけたベルトだが、貰いに行くか。」
千秋の言葉を聞いて千春が薄く笑った。
標的が定まったのだ。
行動を起こしたのは新年明けてまもなく。

初のEXタッグに参戦した村上姉妹だったが、結果はついて来なかった。
しかし、1月には千秋は行動を起こした。
年明けの開幕戦で、メインイベントのタッグマッチ終了後に、千春だけさっさと控え室に戻っていく。
その後、残った千秋が話し始めた。
千秋「よー、暇でモテないプロレスファンの諸君。」
試合終了後だけあり、息を切らせつつ千秋は続ける。
千秋「…ハァ、ハァ。」
直後、ニヤリと笑う。
千秋「今の声で今夜の夜はイケるだろ?」
観客からブーイングが飛んで、千秋は満足そうだ。
千秋「もっとも、こんな団体を見に来る奴らはみんなロリコンだから(ピー※自主規制)にはならないか。」
大ブーイングの中、図星だと呟く声が聞こえ、千秋は本気で「キモッ!」と呟く。
千秋「前置きはこれぐらいにして、そんなロリコンのお前らのためにガキを一人いじめることにした。」
千秋は一呼吸置いて、宣言する。
千秋「佐尾山、お前のベルト取り上げるぜ。」
と、花道から佐尾山が現れる。
直後、バチっと派手な音がして倒れこむ!
背後に現れたのはパイプイスを持ってる千春だった。
千秋「最終戦でタイトルマッチを組めよ、社長。」
オレはただ、首を振るだけだった。

佐尾山は逆境に負けなかった。
包帯グルグル巻きの頭でタイトルマッチを了承。
評価では圧倒的な不利であったのに関わらず、千秋を粉砕した。
もはや、名実共に『がとくー最強ジュニア王座ベルト』は『彼女のベルト』になりつつあり、ファンの間でも認知されるようになってきた。
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2009年08月08日

がとくー:あたしのベルト3

事件はその防衛戦後の、その日のメイン終了後に起きた。
小川・辻・菊池組vs村上姉妹・野村組は小川がストレッチプラムで野村を仕留めた。
直後のマイクアピール。
小川「みなさん、本日も応援ありがとうございました。……今日は少し、言いたいことを言わせてください。」
普段は特に自己主張しない『おしとやかな』小川ひかるの発言だけに観客達も注目する。
小川「わたし、色々な資格を取るのが好きで。役に立つのもあるけど、色々知らない世界が分かってくるのが楽しくて……。それで、プロレスの資格も欲しいと思いました。プロレスの資格、それはベルトです!」
観客達がどよめいた。WWCA戦線に小川ひかるが名乗りか!
小川「佐尾山さん、あなたのベルトを頂きます!」
観客「そっちかよ!」
小川が苦笑し、観客はツッコミと同時に笑う。
佐尾山は小川にとっては格下だ。
ほぼ、勝利は確実だろう。
オレは唸った。
妥当なマッチメークだといえるだろうか?
と、リングに走りこむ影が見えた。
当然、佐尾山だった。
佐尾山「小川さん! その気持ち分かりました! ただ、あたしの実技試験は厳しいですよ!」
観客から歓声が上がった。
本人が言うなら文句はない。
オレは対決にゴーサインを出した。

小川は追い込まれていた。
必殺のストレッチプラムでもギブアップは奪えなかった。
佐尾山は息切れしているが、それでもココからが真骨頂のはずだ。
まだ、単発のミドルしか出していない。
佐尾山「はぁ、はぁ、そろそろか。」
小川は攻め疲れている。
耐え抜いてきた佐尾山のコンビネーションキックが観客の脳裏をかすめた。
が……。
佐尾山「っしゃー!」
小川「え!?」
佐尾山はロープに自分のみを預けると、その反動を全て使った一撃を食らわせた。
ジャンピングニー!
小川は仰向けに倒れると、そのままスリーカウントを聞いた。
佐尾山「新技、真空飛び膝蹴り!小川さんだから使いました……。」
小川「……ありがとう、強くなったね、さおさお。」
小川の言葉に佐尾山の顔が紅潮する。
小川「さ、ベルトを受け取ってきなさい。」
佐尾山はベルトを受け取り、改めて宣言した。
佐尾山「これが、あたしのベルトだ!」 
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2009年08月02日

がとくー:あたしのベルト2

7月の関西シリーズ最終戦。
場所は第2のホームとも呼べる兵庫は尼崎市文化公園アリーナにて、開始前に突然アナウンスされた。

「本日のセミファイナル、辻香澄vs佐尾山幸音鈴の試合を初代『がとくー最強ジュニア』王者決定戦といたします!」

どよめく観客達は、スクリーンに映された映像を見てさらに騒然となった。
映像にはベルトが映されていた。
ベルトには平仮名で「がとくー」「最強」の字もヘロっている。
ネーミングセンスも子どもみたいな感じで権威を感じさせない。
それでいいのか、という感じだ。

しかし、対戦カードの名前を見ると妙に似合ってる気もした。
可愛いもんだ。
そんな気持ちにもなれなくは、ない。

控え室では……。
佐尾山「本当ににタイトルマッチだ! うっしゃあー!」
相手は同期の香澄ということもあって興奮していた。

辻「さおさおには負けたくないなぁ。でも、あのベルトのネーミングセンスは一体……。」
疑問に思うこともありつつ、それでも辻は自分たちの戦いがタイトルマッチになったことが嬉しかった。

試合は佐尾山が押しまくっていた。
ガンガン蹴りを放ち、辻は悶絶。
ミドルのダメージが溜まったところで佐尾山は一気に辻にコンビネーションキックを決める!
「うっ……。」
倒れこむ辻にフォールに入る佐尾山。
カウント2.8!
佐尾山「やっぱ、そう簡単に勝たせてくれないか。」
ニカっ!と佐尾山は笑う。
その余裕の笑みが辻にはカンに触ったのかもしれない。
フロントスープレックスで、連続で投げるとそのまま、場外へ。
辻「そんな余裕、吹き飛ばしてあげる!」
佐尾山「マジかよ、それはマズいって!」
辻は場外でマットを引き剥がしてフロントスープレックス!
観客もどよめく!
辻はすぐにリングに戻り、佐尾山を待つ。
辻「ボクは負けないよ……。」
場外カウントギリギリで佐尾山はリングに戻る。
相当なダメージだったハズだが、笑顔は消えてなかった。
佐尾山「……香澄」
辻「ん?」
佐尾山「歯ぁ食いしばれぇ!」
再びのコンビネーションキックに辻は力尽きた。

オレがこのあと佐尾山に言ったことは嘘じゃない。
確かにあの時点では事実だった。
だから余計に佐尾山は信じてしまった。

オレ「よくやったな、佐尾山。これは、お前のベルトだ。」

授賞式で佐尾山にベルトを渡したときの言葉だ。
佐尾山は目を輝かせてベルトを受け取り、四方のコーナーでベルトを掲げて言った。

佐尾山「見ろ! あたしのベルトだ!」
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2009年07月30日

がとくー:あたしのベルト

それは、まだ梅雨が明けない6月末のこと。

オレ「霧子さん!うちもベルト作ろう!」
霧子「いきなりですか!」

GTQでは現在、菊池がダイナマイト・リンから奪ったWWCAジュニアのベルトがある。
現在の持ち主は村上千春だ。
正直なところ、意外な展開だった。
千春は5月のリターンマッチも制し、7月には防衛戦でWWCAに渡る予定だ。

オレ「千春は千秋と合わせてタッグ屋として考えていたからなぁ。」
霧子「シングルプレイヤーとしても立派な選手になりましたね。」

そんなWWCAジュニアのベルトでも所詮は借り物である。
GTQの選手のモチベーションのためのベルトを作ってあげたくなったのだ。

オレ「実はもう、デザインも出来ているんだ。」
霧子「そうなんですか?」

霧子さんにペラのA4用紙を渡すと、驚いた顔をした。
いや、あきれてるのか。

霧子「ほんとに、これで行くんですか?」
オレ「うん、ガキっぽくていいでしょ? ちなみに初代王者決定戦のカードはね……。」

話を聞いて霧子さんは笑って納得が言ったようだった。

霧子「でも、いいんですか? ベルトの権威というか、箔はつかないかもしれませんよ?」
オレ「選手のモチベーションになるなら、いいんだよ。」
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2009年07月26日

がとくー:WWCAジュニア王者戦線その2

4月は昨年からリーグ戦を行うようになっていた。
旗揚げ記念で関西圏を巡業するGTQグランプリ。
去年の優勝者はGWAのジャニスクレアだった。
菊池は決勝で敗れた。
今年は負けない!

奇しくも決勝は去年と同じ組み合わせになった。
千春はジャニスに敗北し決勝進出を逃していた。
GTQは小柄な選手が所属しているものの外国人や他団体の参戦選手はそうとは限らない。
ジャニスも菊池にしてみれば大柄な選手だ。
何度も追い込まれた。
SSDを食らって絶体絶命だった。
しかし場外エスケープでリズムを取り戻し、トペコンヒーロで舞う。
零戦キックでフォールを取り、ついに優勝を果たした。
満を持して、菊池はマイクを握った。
「これで、発言権は得られたと思います。千春さん!次のシリーズでWWCAのベルトを返してもらいます!」
場内が歓声で震える。
千春は腕を組んでニヤついている。
社長は大きく腕で丸を作りGOサインをだした。

リベンジを達成する。
そういう筋書きを観客も望んでいたはずだ。
千春の新技「めった打ち」(コンビネーションキック)を食らい、菊池は倒れていた。
千春とて余裕があるわけではない。
だが、その憎憎しい笑みは顔から消えていなかった。
「…クックック、どうした? もう終わりか?」
フライングニールキックも決めた。
零戦キックを放った。
ジャーマンで投げた。
千春はそれでも立ち上がり、
猛虎原爆、タイガードライバー、そして新技を放った。
前回と同じだ。
朦朧とする意識の中で菊池は背中に大きな衝撃を感じ、そしてスリーカウントを奪われた。

控え室には担架で運ばれた。
小川ひかるが付き添っている。
菊池が少しずつ回復し、起き上がると小川が無理しないでと声をかける。
辻香澄、野村つばさなどの後輩が片付けをしていた。
かすかに、廊下の向こう側から声が聞こえた。
乾杯の声。
防衛成功の祝いだろう。
菊池は耐えられなかった。
「ぅ…ぅうわぁぁぁああん!」
突然、子供のように泣き始めた菊池を見て、辻たちも驚いている。
「ちょっと、理宇、みんな見てるし…」
分かっている、そんなこと。
でも耐えられなかった。
悔しい。
社長もそばにいない。
きっと千春のところだ。
ベルトを取ったときはあんなに側で一緒に喜んでくれたのに。
わたしなんてどうでもいいんだ。
ベルトのあるところにしか興味ないんだ。
「わぁぁああん!」
悲しくて悲しくて、どうしようもなかった。

「いってぇ…」
千春は全身が痛かった。
千秋が身体を支えてくれている。
「正直、もうごめんだ、あいつとのシングルは。」
千秋が笑う。
「じゃあ、二人がかりで遊んでやろうぜ」
「本当にそれがいい」
千春は笑った。

社長は菊池のところに慰めに行く気も、千春の祝いに駆けつける気にもなれなかった。
ここまできたかという充実感はあった。
菊池の一強になっていたかもしれないGTQに、強烈なライバルが生まれたのだ。
菊池、村上姉妹、小川の四名がしばらくはGTQを引っ張ってくれるだろう。
今年から安定期だ。
「次の仕掛けを考えないとな…。」
廊下のベンチに座り、一人呟いた。

その後、千春は7月にWWCAにてベルトを防衛。
8月にはソニックキャット相手にベルト防衛したが、
9月に菊池に敗れてベルトを失った。
菊池は千春へのリベンジを達成したことでベルトへの興味を失った。
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がとくー:WWCAジュニア王者戦線その1

菊池は絶対王者と思われていた。
5月にフリー参戦していたダイナマイト・リナからWWCAジュニアのベルトを奪取すると、
8月の初防衛戦でGTQ二番手の小川ひかるを撃破。
翌月にはWWCAに呼ばれてダイナマイト・リナのリベンジを返り討ちにした。
そしてジュニア頂上決戦といわれたあけて1月の東女のソニックキャットとの一戦。
Sスタープレスを食らいながらもトペコンヒーロ、零戦キックとつなげて、僅差の勝利。
ジュニア最強は決まったかと思われた。

しかし……

村上千春は菊池の背中に強烈なサッカーボールキックを食らわせた。
「オラオラッ!」
「くっ!」
こんなはずではなかった。
それは菊池だけでなく、観客すら思っていた。
序盤からドロップキック、シザーホイップと菊池の華麗な飛び技で試合は彩られていた。
あの一発からだ。
それはいきなりの一発。
タイガースープレックスだった。
菊池はカウント2で返したが、流れは一気に千春に向かった。
「このぉ!」
菊池は立ち上がると千春をロープに振る。
ドンピシャのタイミングだ。
フライングニールキックのタイミングでトペレベルサがで返される。
「ふん!」
千春の余裕も意に返さず、菊池は次の動きに移る。
零戦キック!
「がはっ!」
千春の胸にキックが突き刺さる。
いっきにカバーに入る!
が!
カウント2.9
千春はぎりぎりで肩を上げる。
よろよろと立ち上がる二人。
その時だった。
「千春!」
それは村上千秋の声だった。
千春は手を上げただけだった。
パシッとうけとったのは木刀!
素早く、菊池の腹に突き刺す!
「う、ぐっ!」
腹部への強烈な痛み、飛び交う大ブーイング、霞む視界。
次の衝撃は背中からだった。
「がっ!」
サッカーボールキックからの体固めで菊池はベルトを失った。

控え室で菊池は反省していた。
最後のは反則だ。
しかし、そのまえにも追い込まれていたこと、零戦キックを返されてたことが問題だ。
試合後、社長が千春を祝福していた。
菊池は知っている。
社長は入団したときから千春に目をかけていた。
日々特訓させてきた。
それは千春がサボり性だったからというのは嘘ではない。
だが、共有時間は多かっただろう。
情は移るものだ。
社長は自分にだって優しいが、しかし…。
小川がどうしたの?だいじょうぶ?と声をかけてくれる。
菊池は笑顔で交わすが、耐え切れなくなりその場を去る。
シャワールームに入ると、菊池は押し殺した声で、泣いた。
許さない、絶対。
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2009年07月13日

がとくー・三年目

オレ「コリィとも契約が切れたし」

霧子「ココからが正念場ですね」

GWAと契約、及びダイナマイト・リンとも契約。

オレ「リンはWWCAジュニアのチャンピオンだ」

4月に旗揚げ3周年でリーグ戦を開く。
優勝はジャニス・クレア

オレ「ウチからは優勝は出なかったか。でもローズお嬢様が負けたのは意外だったな」

5月には菊池にWWCAのタイトルに挑戦させて戴冠。

霧子「このベルトは凄かったですね。海外でも防衛して、秋には小川選手相手に防衛、一月にはソニック選手と戦って防衛しました。」

オレ「二年目の一月のコリィ戦でジュニアのベストバウトもらったけど、ちょうど一年後のこの試合でもベストバウト貰ったんだよね。」

霧子「しかしながら三月に……」

オレ「千春に負けたね。これは意外だった。評価は菊池のほうが上だったからね。」

霧子「特訓の成果でしょうか。」

オレ「ははは。でも、上位陣は実力伯仲だって事だよ。」
posted by 343 at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | がとくー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

がとくー・二年目

団体の収入に大きく貢献してるのはコリィ・スナイパー。
もう全然勝てないのであった。

オレ「大分軌道には乗ってるけど、選手は全然勝てないねぇ」

霧子「コリィは特別でしょう。エレナには菊池さん、村上姉妹、小川さんと勝ってますよ。」

オレ「村上姉妹は特訓の甲斐あって、それなりになってきたな。」

霧子「徐々にみんなに技を覚えさせていますね」

オレ「基本がかたまったからね」

寮を拡張して2名入団させる。
小早川志保
野村つばさ

オレ「ディアナ・ライアルという逸材がいたらしいのだが、逃してしまったな。」

霧子「いつかライバルとなって立ちふさがるかもしれませんね」

オレ「しばらくは東女のソニックキャットがライバルだな。」

霧子「二人には随分と特訓してますね」

オレ「他のメンバーが地力ついてきたからね。早く追いついてもらわないと」

プロレス大賞には順当に引っかからず。
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がとくー・一年目

潤沢な資金。
小さいながらも機能的な事務所。
そして美人で有能な秘書がオレには与えられた。

オレ「霧子さん、よろしくね」

霧子「こちらこそ、よろしくお願いします」

う〜む、色っぽい。

霧子「まずは選手を集めないといけませんね」

オレ「ああ、それに関してはちょっと考えてることがあってね。」

団体名「我闘駆娘(がとうくーにゃん)」選手募集!
必要条件……身長160p以下

霧子「これ、本気ですか?」

オレ「自分自身が身体が小さくて、中々苦労したんでね。そういう娘にチャンスを上げたいんだ。」

霧子「ロリコンではなく?」

オレ「あはは、霧子さん、今夜一緒にお酒でもどう?」

霧子「言いたいことは分かりました。お断りします。」

オレ「つれないなぁ」

集まった選手は
小川ひかる
村上千春
村上千秋
菊池理宇

外国人でコリィ・スナイパーとエレナ・ライアンと契約。

オレ「菊池はいきなりエース候補で活躍したな」

霧子「年齢的にも他の娘より年長でしたしね。」

で、この年途中でさらに2名が入団

佐尾山幸音鈴
辻香澄

オレ「二人とも小さいなぁ。他の団体では面倒を見てくれないだろう」

霧子「ウチの団体では歓迎ですね」

オレ「この年は一気に道場設備に投資した。」

霧子「村上姉妹を特訓漬けでしたね。社長自ら。」

オレ「二人とも不真面目だからな」

金銭的は苦しい一年目だが、選手の強化をしつつ、つつがなく終わった。
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がとくー・設立の経緯

プロレスラーを廃業するのは辛かった。
まだ、30だし、レスラーとしてはこれからだ。
ただ、腰のヘルニアは限界に来てたし、受身のたびに不安になるのでは続けるのは難しい。

170センチ弱とプロレスラーとしては小柄な事にくわえて、
中々体重を増やすことも出来なかったオレをレスラーにしてくれた社長に挨拶に行く。

社長「残念だが、しかたないなこればっかりは」

オレ「今まで、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

社長「いや、お前にはそれなりに儲けさせてもらったよ」

オレ「そう思っていただけてるなら、幸いです」

社長「……で、これからどうするんだ?アテはあるのか?」

オレ「まぁ、なんとか就職活動しますよ。空手やってたし、打撃のコーチとか、スポーツインストラクターとか……」

社長「この不況下では、なかなか難しいぞ」

オレ「ですが、こればっかりは仕方ないですよね」

社長「お前、団体を経営してみないか?」

オレ「へ?」

社長「懇意にしてる、スポンサーさんがな、女子プロレスの団体をやりたいと私に相談に来てね。」

オレ「は、はぁ…。」

社長「女子プロはイヤか?」

オレ「いえ、プロレスは何でも好きなんですが。でもパンサー理沙子ぐらいしか、知らないですよ、オレ。」

社長「それはこれから勉強してくれ。」

オレ「ええ、でも、なんでオレなんかに?」

社長「まぁ、私はお前を信用してるしな。それにお前が喰えないのを見るのも忍びない。……あとは、一応お前もいっぱしのレスラーだったんだ。そう考えると話題性もあるだろう?」

オレ「……なるほど、面白そうですし、凄くありがたいお話です!」

社長「やる気になってくれたか。なんかあったらなんでも相談に来いよ」

オレ「ありがとうございます!」

こうしてオレは女子プロレス団体の社長になった。
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