2009年07月26日

がとくー:WWCAジュニア王者戦線その1

菊池は絶対王者と思われていた。
5月にフリー参戦していたダイナマイト・リナからWWCAジュニアのベルトを奪取すると、
8月の初防衛戦でGTQ二番手の小川ひかるを撃破。
翌月にはWWCAに呼ばれてダイナマイト・リナのリベンジを返り討ちにした。
そしてジュニア頂上決戦といわれたあけて1月の東女のソニックキャットとの一戦。
Sスタープレスを食らいながらもトペコンヒーロ、零戦キックとつなげて、僅差の勝利。
ジュニア最強は決まったかと思われた。

しかし……

村上千春は菊池の背中に強烈なサッカーボールキックを食らわせた。
「オラオラッ!」
「くっ!」
こんなはずではなかった。
それは菊池だけでなく、観客すら思っていた。
序盤からドロップキック、シザーホイップと菊池の華麗な飛び技で試合は彩られていた。
あの一発からだ。
それはいきなりの一発。
タイガースープレックスだった。
菊池はカウント2で返したが、流れは一気に千春に向かった。
「このぉ!」
菊池は立ち上がると千春をロープに振る。
ドンピシャのタイミングだ。
フライングニールキックのタイミングでトペレベルサがで返される。
「ふん!」
千春の余裕も意に返さず、菊池は次の動きに移る。
零戦キック!
「がはっ!」
千春の胸にキックが突き刺さる。
いっきにカバーに入る!
が!
カウント2.9
千春はぎりぎりで肩を上げる。
よろよろと立ち上がる二人。
その時だった。
「千春!」
それは村上千秋の声だった。
千春は手を上げただけだった。
パシッとうけとったのは木刀!
素早く、菊池の腹に突き刺す!
「う、ぐっ!」
腹部への強烈な痛み、飛び交う大ブーイング、霞む視界。
次の衝撃は背中からだった。
「がっ!」
サッカーボールキックからの体固めで菊池はベルトを失った。

控え室で菊池は反省していた。
最後のは反則だ。
しかし、そのまえにも追い込まれていたこと、零戦キックを返されてたことが問題だ。
試合後、社長が千春を祝福していた。
菊池は知っている。
社長は入団したときから千春に目をかけていた。
日々特訓させてきた。
それは千春がサボり性だったからというのは嘘ではない。
だが、共有時間は多かっただろう。
情は移るものだ。
社長は自分にだって優しいが、しかし…。
小川がどうしたの?だいじょうぶ?と声をかけてくれる。
菊池は笑顔で交わすが、耐え切れなくなりその場を去る。
シャワールームに入ると、菊池は押し殺した声で、泣いた。
許さない、絶対。
posted by 343 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | がとくー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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